吉村の建築は「そこに居て落ち着けて気持ちが良い」 と言われるが、 吉村は出来上がった建築について、何一つ説明をすることは有りませんでした。
建て主に対して「このように住んで下さい」、「ここはこう考えました」と、語ることは有りませんでした。しかし 設計をして居る時は「この高さは高すぎないか」「この棚の寸法でコップが入るのか」とか、環境・使い勝手・家具配置・照明計画・寸法・エネルギーセイヴィング・音・経済性(維持費、建築費)・施工性等と
その建物に合った内容を 時には細部にまでわたって図面を見て、設計担当者と話をして、スペースの無駄を潰して行きながら、そこに住む人・使う人に合わせて設計をしたのです。そうして建築を造ることの責任の重大さと、その建築を設計する有意義さを教えてくれました。
ここで私たちは、この様な吉村の設計に対する情熱と、その忍耐力・精神力について、皆様とお話をしながら吉村を理解し、吉村の設計そのものを可能な限り、お伝え出来ればと思って
この展示会を開催しております。
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